イーストハーレム 随想録 1

Global Life

7年のニューヨーク生活で、イーストハーレムには3年住んだ。イーストハーレムはセントラルハーレムの文字通り、東側に位置し、スパニッシュハーレムと公式な名称があるほどスペイン語を話す住民が多い。マンハッタンに特に多いのかどうかはわからないが、エリアごとにいくつか名前がある地域がある。例えばミッドタウンウェストはヘルズキッチン、イーストヴィレッジであれば、ウクライナヴィレッジというが、日本人であればイーストヴィレッジ=日本人街だろう。時にイーストハーレムですら日本人が多い地域ともされる。

イーストハーレムと聞いた時は、日本語のHaremをどうしても連想してしまい、いい思いができるかもしれないと思った時期もあったが、案外その通りになった。ニューヨークにも日系のキャパクラがある。齢32にしてまだ一度も来店したことがないのは、もはやそこのスタッフさん達と一緒に住んでいたからかもしれない。彼女らは基本時にとてもオープンでわかりやすくいい人だったし、よく友達として一緒にご飯にいったりテニスなどもした。一体一般のお客さんは何にお金を払っているのだろうと未だに思う。

イーストハーレムにはコストコがある。当時付き合っていたM氏と毎週のように時間をそこで費やした。基本的に日本で売っているものとほぼ同じである。コストコはイーストリバープラザという商業施設に入っており、そこからはハーレムリバーを見ることができ、向こう岸にカールアイカーンスタジアムが見える。学校の授業で出てきたが有名な投資家だ。

イーストリバープラザといえば、その1ブロック離れた場所に、日本人のお爺さんが泊まっており、カウチサーフィン中のポーランド人のすごく若い女の子をすませたことがある。話は一転するのだが、当時自分が住んでいたアパートが隣のビルの土台工事中に傾いた。自分はそのアパートのテナントではあったがリースホルダーでもなくただのまとめ役のような存在であったが、なんにせよたくさんのNYPDやFDNYが集まったため、周りのテナントの次の手配場所を探すのを手伝ったりした。イーストハーレムはちょっとしたパニックになり、赤十字や法務関係の人間も集まった。避難所として、公共のバスが手配された。夏は日本のように暑いためバスのエアコンはとても嬉しかった。

ポーランド人はたまたまその傾いたビルの前で休憩していた無関係の人間であったが、あまり英語が通じず、家を探す必要がある要救助者となった。自分は流石にこんなポーランド人見たことがないし、違うのではと思ったのだが、困っている人がいたら誰でもある程度は助けるのがニューヨークである。友人のコネクションを使って無償で数日、その商業施設の近くのアパートに泊まることになった。

結局、法務上の関係ですぐにそのポーランド人は退去を余儀なくされたが、あまりに可愛らしい女の子だったからか、家主のお爺さんはポーランド人の退去を渋った。

ビアータという名前の女の子で珍しい名前だと思ったがスラヴ圏では結構いるらしい。メキシコ人のポーリナとか、トルコ人だとブルシュなんて名前の女の子もいた。

自分はビルが傾いたためセントラルハーレムのアパートに移った。

イーストハーレムは117丁目と二番街、127stとレキシントン街、107stとレキシントン街にある3箇所を転々として住んだ。イーストハーレムでも治安は異なる。125stから北と言ったらよくマリファナの匂いがするし、103st付近といったらもう高級住宅街で名が高いアッパーイーストサイドである。たった数ブロック違うだけでまったく違う生活感を体験できる。

イーストハーレムでよく食べていたのはクチフリートというラテン系の揚げ物やタコスにオーダーメイドのサンドイッチ。今は潰れたらしいが、レモンライフという5畳ほどの中華系の日本食料理屋があり、そこでよくカツカレーやカツ丼を食べた。一言にクチフリート、またタコスと言ってもエンパナーダやエンチラーダなど種類はさまざまであるため飽きなかったし、そもそもNYにいるときはそこまで食通ではなかったため不満はなかった。リトルシーザーやドミノピザもあったが、ピザは1ドルのものをよく食べたし、チャイニーズもよく活用した。チャイニーズではスーランタンも健在で、2、3ドルでよく買って食べていた。セサミチキンというメニューがあり、それもよく食べた。Deliという日本でいうコンビニをまともに活用し始めたのもイーストハーレムに住みだしてからかもしれない。コンビニと唯一違うのは、オーダーメイドでサンドイッチなどを作ってくれることである。BLTの安さとボリュームには日本のファストフードも顔負けだと思う。ベーコンエッグエンドチーズもよく頼んだ。文字通り、その3品がパンに挟まっているだけだが、BLTより1ドル安い。とは言ってもサンドイッチはイーストハーレムよりもブルックリンの方が、家賃が安い割にはレベルが高かったと思う。チャイニーズもブルックリンの方がTERIYAKIメニューなどがあったり、おいしかったと思う。日本にいて思ったのが、タコスの生地となるとトルティーヤが高い。日本だとおそらくアメリカの5、6倍の値段で売られているため、気軽にタコスなんて作れない。NYは都心でも、日本のビジネス街のように隣の人と肩がぶつかりそうになるような思いをしてご飯をたべる必要もない。適当に露店なのでチキンオーバーライスなどを買い、公園でのんびり食べている人も多い。デリや露店といったらアメリカンコーヒーだが、日本のセブンイレブンのように缶に入っているか、機械でドリップしてくれるかの二択ではなく、誰かがオーダーメイドで作ってくれる暖かさがある。もちろん少し時間はかかるが、店員とのちょっとしたコミュニケーションもあり、そこにチップが発生しないのは申し訳ないぐらいである。アメリカのセブンイレブンはなぜか記憶が薄い。クイーンズ区でよく行っており、いつもBig Gulpというジュースとホットドックのセットを買って昼食を済ませていたぐらいだ。

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